消費行動の多様化や慢性的な人手不足、環境問題への関心の高まりなどを背景に、リテール(小売り)業界はかつてない激動の時代を迎えています。消費者、社会、従業員が抱える課題の解決なくしてリテール企業の未来を切り開くことはできません。日立は、さまざまなデジタル技術を活用したソリューションの提供と、リテール企業との協創により、持続可能な社会とバリューチェーン全体の課題解決をトータルに支援しています。

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店舗と職場と環境、成長を続けるための3つの課題

 今小売業には、3つの乗り越えるべき課題があるといわれています。

 それは、一人ひとりの消費者に向けた“私だけのお買い物体験”をつくり出し、マイクロ化が進む市場で「選ばれるお店」となること。また、人に寄り添う働き方を実現し、人手不足の時代にも「選ばれる職場」となること。そして、環境負荷の軽減に積極的に取り組み「選ばれる企業」となることです。

 日立は、この3つの課題を包括的に解決するために、小売業のお客さまとともにデジタルイノベーションによるバリューチェーンの最適化を推し進めています。

 そのための手法のひとつとして、消費者、家、店舗、物流、倉庫、生産などのデータをサイバー空間に集め、バリューチェーンをモデル化。高度なシミュレーションを実施し、その解決策を各現場へタイムリーにフィードバックしていきます。

 これにより必要なモノを、必要な時に、必要な分だけ提供する――つまりバリューチェーンの最適化が実現し、小売業におけるさまざまな課題の解決が可能になります。

バリューチェーンの最適化を実現した、ある小売業の姿

 少し先の未来のある街の様子をイメージしてみましょう。例えば、1人のお客さまがサンドイッチを買いに店舗を訪れたとします。生体認証でチェックインし、お客さまが身に着けたスマートデバイスから、その日の健康データを収集し、購買履歴に基づく趣味嗜好データなどを消費者同意のもと、分析すれば、消費者一人ひとりにオリジナルレシピのサンドイッチを提供することが可能になり、これがまさに「私だけのお買い物体験」となります。

 店舗では、お客さまデータや購買データに加え、店ごとの商圏データや気象データなど大量のデータを分析し需要を予測。発注の精度を高めることで食品ロスを削減できます。環境負荷が軽減できるだけでなく、廃棄による損失が減った分を商品開発などお客さまが喜ぶサービスへの投資を増やすことができ、その店舗はさらに集客力を高めることが可能です。

 バリューチェーンの最適化は、受注生産による無在庫店舗の実現も可能にします。

 例えばアパレルショップでは、あらかじめお客さまが登録したワードローブや嗜好などからレコメンドを作成し、購買意欲を高めます。そして店舗を訪れたお客さまは自分の好みに合わせて商品を自由にカスタマイズ。その発注データはダイレクトにバリューチェーンに伝えられ、物流、倉庫、生産などの各プロセスがムダなく連携し、お客さまの自宅にスピーディーにオリジナル商品が届けられます。

 品出しや発注がなくなった分、店舗の従業員はそれぞれの個性を生かしながら、接客に集中することができます。物流や倉庫においてもモノの動きが最適化され、ムダな業務が大幅に低減。ロボットによる作業の自動化も相まって人手不足の解消も進み、人に寄り添う働き方を実現することができます。

 バリューチェーンの最適化は、ムダな配送などを抑え、CO2排出量の削減にもつながります。現在、グローバル市場では「ESG投資(*1)」など、環境問題の解決に貢献する企業を評価する動きが高まっています。環境負荷の軽減は、持続可能な社会への大切な取り組みであり、収益に直結する重要な課題でもあります。

*1 従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の要素も考慮した投資

日立とお客さまとの協創事例

画像: 日立の取り組み
デジタルイノベーションで未来から選ばれる小売業へ

 バリューチェーンの最適化は「未来から選ばれる小売業になるための条件」です。そして今、多くのお客さまが日立とともにバリューチェーンの最適化に取り組んでいます。

 合同会社 西友と日立は、弁当・総菜売り場において、人工知能(AI)による自動発注の全店舗展開を推進しています。従業員は発注業務から解放され、店内厨房での加工業務や接客などのコア業務へ集中。データに基づく高精度な需要予測で、欠品や食品ロスの削減もめざしています。

 株式会社カスミは、日立とともにエネルギー最適化に取り組んでいます。複数店舗の空調設備の更新とEMS(*2) の導入により、13.2%の省エネ予測に対し、単月比較で同等の結果を確認しました。また同社は空調設備の運用管理業務を日立にアウトソース。維持・管理コストを削減するとともに、従業員の業務負担を軽減しています。

 バリューチェーン最適化では、物流の高度化も不可欠です。日立とあるお客さまとの取り組みでは、トラック台数を約10%削減。CO2排出量を削減し、ドライバーの長時間労働なども改善しています。

 また、イオンモール株式会社と日立は“広いモール内でもスピーディーにお買い物がしたい”というお客さまの要望に応えるため、モール内専門店の商品を店舗の垣根を越えて横断的に検索。カメラで撮影した写真からの類似商品の検索も可能にしました。

 日立は今後、家庭のデータや生活スタイルなどを考慮して、消費者一人ひとりに寄り添いながら省力化を進める店舗づくりにも取り組んでいきます。

 日立はこれからもお客さまとともに、選ばれるお店、選ばれる職場、選ばれる企業となるための価値をデジタルイノベーションで創出し、未来から選ばれるために、全力でサポートしていきます。

*2 Energy Management System

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