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人工知能(AI)の活用による顧客対応力強化などデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する株式会社大塚商会(以下、大塚商会)は、日立とともにLumadaのコア技術である「Hitachi AI Technology/H(AT/H)」を活用し、営業支援機能を大幅に強化。日々、現場から収集される膨大なデータを分析し、経営環境の変化にも柔軟に対応しながら、お客様との関係を深くし、生産性を継続的に向上させています。

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データドリブン経営でお客様対応の最適化を実践

画像1: 株式会社大塚商会(営業活動データ分析ソリューション導入事例)
「営業×AI」の力でDX時代のスマートセールスを推進

株式会社大塚商会
越智 郁夫 氏 地主 隆宏 氏

 コピー用紙などのオフィスサプライから複合機、基幹系システムや情報系システムを含めたトータルなITソリューションの提案まで、さまざまな企業の課題をワンストップで「オフィスまるごと」サポートしている大塚商会。1961(昭和36)年の創業以来、常にお客様目線で商品・サービスを選定し、適切なソリューションでビジネス成長を支援してきたその姿勢は、大手企業から中小企業までさまざまなお客様から大きな信頼を獲得しています。

 同社のビジネス展開を支えているのがSPR(Sales Process Re-engineering)という独自の顧客管理・営業支援システムです。このシステムは営業の活動効率と顧客満足度の向上をめざして導入され、お客様のプロファイルから取引履歴、提案状況、お客様のお困りごとなど、データが20年以上にわたり、日々営業現場から蓄積されています。このデータを分析・活用することで、お客様の状況をふまえた適切な提案や迅速なサポートが可能となり、社員1人当たりの売上高や営業利益の継続的な向上を支えています。

 同社マーケティングオートメーションセンター センター長 地主 隆宏氏は、「SPRは営業プロセスを時代に合った形で再構築する、今でいうDXの仕組みです。この強力な武器を使ったデータドリブン経営により、当社は長年にわたり社員数を増やすことなく、生産性や売上を伸ばし続けてきました」と語ります。

 しかし、お客様が増え続け、ビジネス戦略や業務内容が複雑化するなか、顧客ニーズをタイムリーにとらえた価値ある提案を行うためには、データ分析の質と量、スピードをそれぞれ向上させる必要性が出てきました。そのため大塚商会はデータサイエンス技術によるビッグデータ分析基盤を2000年代からトップダウンでいち早く導入。AIブームが起きるよりかなり前から、膨大な顧客情報をAIで学習・分析し、営業活動に生かす取り組みを開始しました。

導き出した結果を説明できるAT/Hに着目

 「複数のAIを活用していくなかで、当社が注目したのが日立のAT/Hでした。2016年当時から、ホワイトボックス型AIの先駆けとして、AIが導き出した結果を人間が理解できるようにアウトプットする方向性を示されていたからです」と語るのは、マーケティングオートメーションセンター データサイエンス課 課長 越智 郁夫氏です。

 「AIにはそれぞれ得意分野があり、その長所を組み合わせ、最適に活用することが必要です。例えば、この商品はA社にいくつ売れるだろうという分析結果は他のAIでも出せますが、どうしてそうなるのかを人間が読み解ける示唆として出力できるのはAT/Hだけでした。現場の営業担当者やマネージャーなど、AIの分析結果を提供する人に納得感を持って営業活動をしてもらう意味でも、他のAIにはない大きな魅力を感じました」と地主氏は説明します。

 大塚商会と日立は2016年9月から、SPRと連携したAT/Hの全社活用を進めるためのトライアルを開始。日立のデータサイエンティストのトップ人財を結集した Lumada Data Science Lab.のチームも参画し、データ分析の方針検討、ドメイン知識を活用したデータ加工、大量データを時間内に処理するためのチューニング、分析結果の示唆をSPRと連携させる方法の検討などを一緒に進め、2018年4月からパイロット運用へ移行しました。

 現在は、パイロット運用を終え、SPRに蓄積された171万社の顧客データを活用した「行先ナビゲート」機能と「商材の推奨」機能にAT/Hを組み込み各営業担当者に展開をしています。

営業活動のベストプラクティスをAIが提示

 「営業担当者がSPRにアクセスすると、さまざまな現場データや利益・売上といったKPIを勘案した分析結果から、“どのお客様を訪問すればよいか”“その商談ではどのような課題をヒアリングし、どのような商材の提案を行うと効果的か”を、一人ひとりに合った形で提案してくれます。これが行先ナビゲートと商材の推奨機能です。“今日は何をするべきか”を容易に確認できるだけでなく、お客様先への移動中の隙間時間には、スマートフォンの専用アプリから、リアルタイムに更新されたデータを確認・検索することも可能で、AIが営業担当者のパーソナル秘書のような対応もしています」と地主氏は説明します。

 膨大な顧客データとベテラン営業のナレッジを、AT/Hを含むAI基盤が網羅的に探索し、目的に合ったベストプラクティスを抽出することで、生産性の向上と営業力の底上げにつながり、「ある営業部門での受注率は平均5%向上しました」と地主氏は語ります。

 またAIによる営業支援は平常時だけでなくコロナ禍(か)においても威力を発揮しました。

 「2019年までは、もともと強かった営業力をAIで支援する側面が強かったのですが、コロナ禍に入ると今までの経験則が効きにくくなり、従来とは違った顧客ニーズが増えてきました。そういった新たなニーズや不確定要素に対応する営業活動をAIで再学習することで、成功事例を全国の営業現場に提供し、スピーディに水平展開することが可能となったのです」と越智氏は評価します。

 大塚商会では早くからオンライン会議システムや社員へのモバイルPCとスマートフォンを配布するなど、リモートでの営業活動を支援する環境を整えていました。そこにビッグデータと最新のAI基盤による「セールステック」を組み合わせることで、コロナ禍においても商談の数はほとんど減らず、営業活動の生産性を維持することに成功しています。

協創成果を生かした「営業活動データ分析ソリューション」を開発

 日立は大塚商会との協創活動でLumadaの「お客様のたくさんのデータに光を当てて隠れた関係を解明していくことで、お客様の事業に役立つ知見(insight)を得ることをめざす。」というコンセプトに基づき、大塚商会の営業活動のデータとAT/Hを活用した新たなAIによる営業活動データ分析の実用化にこぎつけました。また、その成果を生かした「営業活動データ分析ソリューション」を開発し、2021年1月からさまざまな企業に向けて販売を開始しました。

 地主氏は「今後、多くの日本企業がAI活用を加速させていくと思いますが、一定の効果を上げるまでには時間がかかるため、じっくり腰を据えて取り組むパートナー選びが重要です。その点、日立さんなら決して途中で投げ出さず、最後まで伴走してくれる信頼できるパートナーになるでしょう」と太鼓判を押します。越智氏も「日立さんは国内ベンダーでAI開発の先頭を走っています。少子高齢化に悩む日本では、企業や組織がAI活用で一人ひとりの生産性を高めていくことが重要な課題です。日立さんには当社との協創事例を生かし、より多くの日本企業に貢献していただきたいと思います」とエールを送ります。

 その期待に応えるため、今後も日立は大塚商会とのAI活用をさらに推進しながら、日本企業の生産性と活力を継続的に高めるAIソリューションを提供していきます。

* 本記事は2021年1月に取材を行ったものです。
* 本記事は日立ワークスタイル変革ソリューションサイトの事例紹介ページに掲載されたものです。

画像2: 株式会社大塚商会(営業活動データ分析ソリューション導入事例)
「営業×AI」の力でDX時代のスマートセールスを推進

お客さまプロフィール

画像3: 株式会社大塚商会(営業活動データ分析ソリューション導入事例)
「営業×AI」の力でDX時代のスマートセールスを推進

[所在地] 東京都千代田区飯田橋2-18-4
[創業] 1961年7月17日
[資本金] 10,374,851,000円
[従業員数] 7,429名(2020年12月末日時点)
[事業内容] システムインテグレーション事業/コンピューター、複合機、通信機器、ソフトウェアの販売および受託ソフトの開発などサービス&サポート事業/サプライ供給、保守、教育支援など

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