静岡銀行と日立が共同開発した「次世代オープン勘定系システム」が2021年1月から本稼働を開始しました。本システムはメインフレームの信頼性・堅ろう性を備えながらオープン基盤上で稼働するもので、静岡銀行のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を支援する基盤となります。また、日立は本システムを次世代オープン勘定系パッケージとして製品化し、他の金融機関にも導入を進めていきます。

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レガシーシステムからの脱却を決断

画像1: 株式会社 静岡銀行(次世代オープン勘定系システム導入事例)DX推進に向け、新たな設計思想に基づく先進的なオープン勘定系システムを構築

株式会社 静岡銀行
(左)小長谷 祐太 氏
(中)西川 芙由子 氏
(右)松本 健司 氏

 静岡市に本店を置く静岡銀行は、さまざまな金融サービスを国内外で積極的に展開する地域密着型の総合金融グループです。2020年4月からスタートした第14次中期経営計画「COLORs~多彩~」では、「地域のお客さまの夢の実現に寄り添う、課題解決型企業グループへの変革」というビジョンを提示。基本戦略のひとつであるイノベーション戦略では、デジタル技術を活用したビジネスモデルや業務プロセスの変革、DX戦略を推進する組織体制の拡充などに取り組んでいます。

 静岡銀行は2021年1月4日より、メインフレームで32年間稼働していた勘定系システムを刷新し、新たな設計思想に基づく先進的な「次世代オープン勘定系システム」の稼働をスタートさせました。その背景を次世代システム部 運営統括グループ グループ長 松本 健司氏は、「当行では2004年ごろから、レガシーシステムの継続利用は成長の足かせとなり将来的な経営リスクになる『2025年の崖問題』を認識し、次世代システムのめざすべき姿の検討を開始しました。並行して徹底的な事務集中化や専門化など、業務プロセス改革も継続して行いながら、当行の先進的な業務運営モデルをベースとした業務機能と、将来にわたってシステム保守・運用コストを低減できるオープンアーキテクチャーを活用した次世代勘定系システムをスクラッチで構築するとともに、地方銀行の勘定系システムの標準モデルとすべくデファクトスタンダード化にチャレンジすることになったのです」と振り返ります。

 そして2014年1月、静岡銀行が新システムの構築パートナーに選んだのが日立でした。

 「われわれは次世代システムのめざすべき姿として3点を定義しました。1つ目は『ビジネス革新を支える新たな設計思想に基づいたシステム』、2つ目は『IT投資の最適化によるOHR(※)(経費率)の低下とスピード経営を実現するシステム』、3つ目は『社会インフラとして高水準な安全性・安定性を追求したシステム』であることです。技術やコスト、プロジェクト体制も含め、これらの要件をすべて満たしていたのが日立さんでした」と松本氏は続けます。

※ Over Head Ratio

多くの先進的な技術や機能を取り込む

 静岡銀行と日立は、メインフレームの信頼性・堅ろう性を備えながらOSにLinuxを採用したオープン基盤上で稼働する勘定系システムを共同開発。預金・為替・融資といった基幹機能をコンポーネント化、パラメータ化した「記帳決済システム」と、営業店システムやインターネットバンキングなどのチャネルサービスと接続可能な「バンキングハブシステム」を中核に、新しい金融サービスやデータ利活用サービスとも柔軟に連携できる新基盤を構築しました。

 「新基盤には多くの先進的な技術や機能を取り込みました。例えば、業務機能を部品化して組み合わせるコンポーネント化は、修正時の影響範囲の局所化やプログラムの複雑化を回避できます。プログラム構造のシンプル化はブラックボックス化の抑止につながり、業務処理のパラメータ化は商品追加・廃止や税率変更時における開発スピードの向上に貢献します。さらにハードウェアとソフトウェアの分離により、将来にわたって経済合理性の高いインフラが選択できるため、更新時のコスト削減にもつながると期待しています」と、次世代システム部 開発グループ ビジネスリーダー 小長谷 祐太氏は語ります。

 また、次世代システム部 開発グループ ビジネスアソシエイト 西川 芙由子氏はシステムの保守性や安全性について「運用・保守面ではドキュメントの明確化やブラックボックス化の解消に加え、部品化・コンポーネント化・テーブル化・パラメータ化により開発生産性の25%以上の向上が期待できます。また万が一の大規模災害時も、トランザクションデータが準リアル方式で反映されるため、速やかにサービス再開できるなど、事業継続性の強化にも大きく貢献すると考えています」と語ります。

共同開発したシステムをパッケージとして商品化

 オープンアーキテクチャーを生かした新システムは、経営戦略に合わせたシステム開発のスピードアップや高度化が図れるほか、トップラインの向上や将来的なシステム経費の半減も期待できます。またバンキングハブによって、FinTechなど外部の金融サービスなどとも容易に接続できる特長を備えています。

 松本氏は「新システムをスクラッチで構築していく過程では当初想定していた以上に課題が大きく、難局を迎えることもありました。しかし日立さんとの緊密な連携で課題解決を強力に推進し、ようやく当行チャネルの役割と金融サービスのあり方を変革していくために必要な土台が整いました。今後は本プロジェクトで培った両社のチームワークを生かしながら、デジタルテクノロジーを活用して、お客さまにとって、より利便性の高い金融サービスの提供に向けたDXを推進していきたいと思います」と語ります。

 日立は、今回共同開発したシステムを「次世代オープン勘定系パッケージ」として商品化し、他の金融機関への導入を進めながら、制度対応などのエンハンス機能もパッケージに継続的に取り込んでいきます。静岡銀行においても他行とのコミュニティ形成、アライアンスやクラウド化といったさらなる展開を図り、同パッケージのデファクトスタンダード化をめざしていきます。

画像2: 株式会社 静岡銀行(次世代オープン勘定系システム導入事例)DX推進に向け、新たな設計思想に基づく先進的なオープン勘定系システムを構築

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画像3: 株式会社 静岡銀行(次世代オープン勘定系システム導入事例)DX推進に向け、新たな設計思想に基づく先進的なオープン勘定系システムを構築

株式会社 静岡銀行

[本社所在地] 静岡県静岡市葵区呉服町1丁目10番地
[創業] 1943年3月1日
[資本金] 908億円
[社員数] 2,776名(2021年3月31日現在)
[事業内容] 預金業務、貸出業務、商品有価証券売買業務、有価証券投資業務、為替業務、信託業務など

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