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SNSなどに投稿される大量のテキストデータから、企業や商品・サービスに対する市場・消費者の多様な反響を「感情」の観点で分析・可視化するサービスに、「道徳」と「意外性」という新たな観点を追加。企業活動における「価値判断」を支援することで、ビジネス拡大や企業価値向上に貢献します。

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感性分析を強化する「道徳」と「意外性」

 複雑なサプライチェーンの中に潜んでいた強制労働や児童労働。あるいは、プロモーションや広告などの背後に垣間(かいま)見えた文化やジェンダーなどに関する差別意識。ESGやSDGsへの社会的関心がかつてないほど高まっている現在、こうした道徳的・倫理的な不祥事・インシデントは、不買運動やブランド毀損、株価下落といった深刻なダメージを企業にもたらします。

 いまや企業は単に自らの利益を追求するだけの存在ではなく、その活動は「経済や環境、社会に配慮しているか」「法律・法令や人権を尊重しているか」といった倫理基準で社会や市場から評価されるようになり、こうした道徳的な価値観に配慮した経営が強く求められています。そのため、市場への影響が大きくなりつつあるSNSなどで発信される膨大な「生の声」に耳を傾け、企業活動に生かすことも重要になってきています。

 日立は、人工知能(AI)を活用してSNSなどに投稿されたテキストデータから、企業や商品・サービスに対する反響を「感情」の観点で分析・可視化する「感性分析サービス」を2018年から提供してきました。そして今回、「道徳」と「意外性」の観点で市場・消費者の声を分析する2つの新機能を加え、本サービスをさらに強化。商品企画など「攻めのマーケティング」や、SNSの炎上リスク検知・対処など「守りのマーケティング」といったマーケティング施策を効果的かつ効率的に支援します。

画像: 「感性分析サービス」の強化ポイントの概要

「感性分析サービス」の強化ポイントの概要

テキストデータを分析・可視化する感性分析サービス

 感性分析サービスは、SNSへの投稿やコールセンターの通話内容、アンケートへの回答、メールといったテキストデータを、AIを活用してその文意を高精度に考慮しながら、約1,300種類の話題・感情・意図へ分類・可視化するサービスです。「好意的/中立/悪意的」という感情の3大分類にとどまらず、さらに細分化された計81種類の類型から感情を特定することができます。

 これまで人手に頼っていたこうした分析作業には専門的なスキルが必要でした。本サービスは、専門知識がない人でもストレスなく使いこなせる容易な操作性やユーザーインタフェースを実現。分析業務の属人化という従来の課題を解決します。また、日本語や英語だけでなく、中国語やタイ語にも対応しており、各言語別にカスタマイズ可能な感性辞書も用意されています。なお、提供形態はオンプレミスとクラウド(SaaS)の両方に対応しており、お客さまのIT環境や利用シーンなどに応じてフレキシブルな導入が可能です。

「道徳」による分析軸強化と「意外性」による分析力強化

 従来の感性分析サービスで提供していた「感情分析機能」に今回新たに追加されたのが、「モラル分析機能」と「意外性分析機能」です。

 モラル分析は、学術的に裏付けられた道徳基盤辞書(※1)に基づき、うれしさや驚き、不満など、テキストデータに顕在化した感情の背景にある道徳的な価値観を定量的に分析・可視化します。この分析に際して用いられるのが「5つの道徳基盤」です。なお、テキストデータによる感情分析に「道徳」という分析軸を追加するのは世界で初めての試みであり、学術的な分野で使われていた道徳基盤辞書をビジネス分野に適用した世界初のサービスとなります(※2)。

画像: 「道徳」による分析軸強化と「意外性」による分析力強化

 意外性分析は、時系列の情報と出現頻度を組み合わせた日立独自のアルゴリズム(特許出願中)を活用して大量のデータに埋もれていた意外な情報を顕在化させます。これにより、多数派の反響を分析する感情分析やモラル分析では見逃していた少数派の反響などの抽出も可能です。

 以上のサービス強化により、膨大なテキストが内包するさまざまな「声」を、感情と道徳、意外性という観点から高精度に分析。リスクの早期発見・対処や企業活動における「価値判断」をタイムリーに支援することで、さらなるビジネス拡大や企業価値向上に貢献します。

※1 人は生まれつき道徳的な善し悪し(よしあし)に関する5つの普遍的・通文化的基盤を持っていると提唱したアメリカの社会心理学者であるジョナサン・ハイトの道徳基盤理論を基に作成された辞書。Moral Foundations Dictionary(MFD)とJapanese Moral Foundations Dictionary(J-MFD)を使用
※2 2021年10月7日時点。日立調べ

さまざまな「声」から新たな価値創造へ

 今後は、本サービスのユースケースをマーケティングだけでなく、人事や採用、人財育成といったヒューマンリソース領域にまで拡大し、より広範な企業活動の価値創造を支援するサービスとして展開していく予定です。

 さまざまなニーズや気づきを満載した「声」は、新たな価値を生み出す貴重な情報資源です。多様な「声」を価値創造につなげる技術やソリューションの開発に取り組みながら、日立はこれからもお客さまのビジネス拡大や企業価値向上を支援していきます。

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