超高齢社会・日本における重要テーマ・健康長寿をめざしていくうえで、欠かすことのできない「社会参加」を促していく新たな事業がスタート。データ活用などによって介護予防を支援し、パートナー企業や自治体などと連携しながら「人生100年時代」における健康長寿社会を追求していきます。

「社会参加」という介護予防のキーファクター

 高齢化社会から高齢社会を経て、2007年には65歳以上の人口割合が21%超となる「超高齢社会」に突入した日本。内閣府「令和4年版高齢社会白書」によれば、いまや総人口の28.9%に達した65歳以上の人々は3,621万人に上ります。これと呼応するように、介護費用も年々増大の一途をたどり、2020年度の介護保険給付費用は10兆円を超えました。

 持続可能な福祉・社会保障という観点から、シニアの介護予防の重要性が高まるなかで、注目を集めているのが「社会参加」という指標です。ここでいう「社会参加」とは、外出や地域・趣味の集まりへの参加、友人づきあいなど、他者と交流する行動の総称で、これが活発な人ほど、要介護認定を受ける割合が低いほか、認知症を発症するリスクも低いことが一般社団法人日本老年学的評価研究機構(以下、JAGES機構)の調査から明らかになっています。介護予防の視点からこれまでもシニアの活動量(運動)や栄養(食事)を可視化・管理する取り組みはありましたが、これに加えて、「社会参加」の多寡が健康長寿社会の実現に向けた極めて重要な指標として認知されるようになったのです。

介護予防を支援する新事業を立ち上げ

 こうしたなか、日立はJAGES機構との共同研究に基づいて、個人の社会参加行動の頻度やバリエーションを測定し、データに基づいた介護リスク予測や介護予防のための行動変容を支援する新たな事業「社会参加のすゝめ」をスタートさせました。この事業では、2022年6月から無償提供されているスマートフォンアプリ「社会参加のすゝめ」を中核的なツールとして活用し、アプリユーザーの外出や行動の状況を測定・可視化。このデータから得られた各自の状況に応じて健康アドバイスを提供するほか、JAGES機構の研究結果を分かりやすく紹介したコラムを定期的に配信します。

 これにより、ユーザーは自分の社会参加状況を客観的に把握できるのに加え、介護予防に向けた有用な情報・知識を獲得。アプリの利用を契機に、より自発的で積極的な社会参加を促進します。事実、2020年に実施した4か月に及ぶ実証実験では、アプリ利用を通じた被験者の有意義な社会参加行動活性化が確認されました。なお、本事業はアプリのユーザーから収益を得るのとは異なるビジネスモデルで、日立は社会参加情報という新たなジャンルのPHR(※)を活用する事業者・プラットフォーマーとして今後のビジネス展開を見据えています(図1)。

※ Personal Health Record(個人の健康・医療・介護データ)

画像: 図1 スマートフォンアプリ「社会参加のすゝめ」

図1 スマートフォンアプリ「社会参加のすゝめ」

エコシステムの実現へ向けた連携を推進

 この事業の特徴の1つとして挙げられるのが、企業や自治体などとの幅広い連携です。シニア世代の課題解決のための商品やサービスを開発・提供する企業や、介護予防のための地域政策に取り組む自治体などが本事業のプラットフォーム上に参集し、社会参加情報というPHRを活用して、地域住民の社会参加を促すような新たな支援事業やサービスを創生。そのメリットや恩恵をデータ提供者であるユーザー自身に還元する、あるいは、データによる介護予防施策の定量的な効果測定をもとにPDCAサイクルを回す、といった好循環をめざします。

 例えば、社会参加の状態が活発で介護リスクが低いと認められる契約者に対する保険会社の保険料割引特典や、交通事業者による地域住民の積極的な「おでかけ」を促すようなサービスの開発やイベント開催など、このプラットフォームを活用したさまざまな業界とのコラボレーションを推進していく考えです。

 この新たなエコシステムの構築に向けて始動した本事業には、すでに多くの企業や自治体、団体から問い合わせが寄せられています。現在、具体的な事業化などを前提にしたものも含め、相談や情報交換をしている相手先は60以上。その業種の内訳は、介護事業者をはじめ、金融機関や公共交通機関、不動産関連など多岐にわたります(図2)。

画像: 図2 企業連携の概要

図2 企業連携の概要

快適で、安心して健やかに暮らせる社会へ

 今後も引き続き本事業に賛同する企業や自治体、団体など広く募り、それぞれのビジネスモデルを実現していくための機能実装を進めていく予定です。そして、本事業を基盤とする業界・業種の垣根を越えたすそ野の広い連携を通じて、シニア一人ひとりのさまざまな個性や趣味嗜好(しこう)を受け止めながら、各自が自分に合った社会参加の方法を見つけられるような仕組みづくりに取り組んでいきます。

 介護予防に向けて一人ひとりの意識・行動の変化と、その社会参加の定着を促す仕組みづくりを加速させ、「人生100年時代」における健康長寿社会の実現をめざす新事業「社会参加のすゝめ」。これからも日立は、データから新たな価値を創出することで、さまざまな社会課題の解決と、誰もが快適に、安心して健やかに暮らせる持続可能な社会づくりに貢献していきます。

スマートフォンアプリ「社会参加のすゝめ」の記事はこちら>>

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