笠間市は、全国の自治体に先駆けて日立とともに2014年から地域包括ケアシステム体制の推進を支援するクラウド型「介護健診ネットワークシステム」を運用してきました。このたび、インフラをバージョンアップし「地域包括ケアシステムICTソリューション 情報共有システム」(以下、情報共有システム)に移行。より高信頼で使いやすい環境のもと、さらなる業務効率と介護サービス品質の向上を実現しています。

印刷される方はこちら

福祉と介護の充実を市の最優先課題に

 茨城県の中央部に位置する笠間市は、市立病院や民間医院のネットワーク体制が早くから構築され、社会福祉ボランティアも活発な「福祉のまち」として知られています。人口減少や高齢化が進むなか、同市は介護・医療現場の人手不足を補い、業務効率化をめざすため、2014年から日立と共同開発した「介護健診ネットワークシステム」を本格稼働させました。

 このシステムは、笠間市が保有する要支援・要介護者の介護認定情報などの個人情報や、高齢者の見守り情報(緊急連絡先、主治医など)を本人同意のもと、公開管理サーバー経由でクラウドに登録。この情報を介護事業者や医師、看護師、ケアマネジャー、ヘルパー、救急隊といった在宅介護を支える職種間のみでセキュアに共有して、在宅ケアの効率化と救急医療の迅速化を実現する仕組みです。地域包括ケアシステムをクラウドで支援するツールは全国自治体に先駆けて導入となったため、当初から大きな話題になりました。

在宅ケアや救急搬送など医療現場でも不可欠なインフラに

画像1: 笠間市(地域包括ケアシステムICTソリューション導入事例)
介護・医療現場の業務効率を向上する日立の「地域包括ケアシステムICTソリューション」

笠間市
亀井 博紀 氏 中庭 聡 氏 小澤 宝二 氏

 導入から6年が経過した今、その存在は笠間市の在宅ケアや救急搬送など医療の現場にも浸透し欠かせないものになっています。

 「市内の介護認定者、総合事業利用者の7割以上の方が情報登録に同意されており、さまざまな職種間での情報共有と、現場業務の効率化につながっています。導入前は、ケアマネジャーが介護認定審査会の予定日を電話で問い合わせたり、認定後に必要となる書類のやり取りのため市役所の窓口に直接出向いたりと、時間と手間がかかっていました。今はタブレットから情報をリモートで容易に閲覧できるので、ケアプランの作成といった本来の業務に時間を割けるようになりました。また、紙でのやり取りがなくなったため、情報漏えいのリスクが軽減されました」と保健福祉部 高齢福祉課 課長の中庭 聡氏は高く評価します。

 笠間市では救急車にも情報共有のためのタブレットを1台ずつ搭載し、救急搬送時に大きな効果を生み出しています。

 「独居高齢者を搬送する際に付き添う方がいなくても、救急隊員は手元のタブレットで、地区民生委員が調査した対象者の見守り支援票や、介護認定時に取得した主治医の意見書などを閲覧できます。手術や入院に備えた親族連絡先の把握や、適切な処置を行うための持病の確認などにも非常に役立っていると高い評価をいただいています」と、高齢福祉課 主幹の亀井 博紀氏は続けます。

画像: 介護健診ネットワークシステム全体像

介護健診ネットワークシステム全体像

介護健診ネットワークシステムのインフラをバージョンアップ

 2019年度、笠間市の介護健診ネットワークシステムのインフラを新バージョンに移行しました。これまでに日立が笠間市と一緒に開発・運用してきた知見を生かし、幅広い自治体が利用できるクラウド基盤の情報共有システムを開発しリリースしました。

 新バージョンでは、インターネット環境とは分離されたLGWAN接続系業務システム環境にある自治体データの、セキュアな外部連携を実現する「地域IoT連携クラウドサービス」が活用されています。これによりセキュリティが一段と強化されたほか、自治体が用意するサーバー数を削減でき、運用や維持メンテナンスにかかるコストが削減できました。

 ブラウザから利用できるアプリケーションにすることで、各現場のPCやタブレットなどに専用アプリをインストールする必要がなくなりました。これにより、さらなる導入ユーザーの拡大が期待されています。

 「新バージョンへの切り替えを機に、医師会での活用も始まりました。各医療機関が使う電子カルテやレセプトコンピューターは、ベンダーが異なるとデータの互換性がなく情報共有が難しいことが、在宅医療の推進において高いハードルになっていました。そこで市立病院と民間医療機関が連携し、タブレットで、介護健診ネットワークにある要支援・要介護者の医療情報を共有することにしたのです。新型コロナウイルスの影響で、本格的な運用はこれからになりますが、在宅医療の促進にも大きな成果が出てくるのではと期待しています」と、保健福祉部 健康増進課 課長の小澤 宝二氏は期待を寄せます。

 新バージョンではバイタル情報や写真・動画などもタブレットやスマートフォンから簡単に登録できるため、対象者のより正確な状況を関係者間で共有することが可能となりました。

3密対策や災害対応にも有効なシステム

 今、自治体では、高齢者の介護認定申請の増加などにともない、行政窓口の3密対策が課題となっています。クラウド上でデータを管理し、リモートで柔軟に情報共有ができる本システムを使えば、窓口職員や在宅ケア関係者の感染リスクを軽減できるほか、自然災害時にも円滑な情報活用が可能です。

 亀井氏も「リモートでの情報共有をより効果的に活用して、今後は3密を避けるためのネット会議システムと本システムを併用し、個人情報を扱う会議も出席者が直接会わずに、Webで開催できないかを検討しています」と語ります。

 高齢者が住み慣れた地域でいつまでも元気に過ごすための環境づくりを、積極的なICT活用で実践し続ける笠間市。その取り組みを、これからも日立は地域包括ケアシステムICTソリューションの継続的な強化によって支援していきます。

画像: 提供:笠間市

提供:笠間市

お客さまプロフィール

画像2: 笠間市(地域包括ケアシステムICTソリューション導入事例)
介護・医療現場の業務効率を向上する日立の「地域包括ケアシステムICTソリューション」

[所在地] 茨城県笠間市中央3‐2‐1
[人口] 73,805人(2020年7月1日現在)
[世帯数] 29,362世帯(2020年7月1日現在)
[職員数] 707人(2020年4月1日現在)

笠間市のWebサイトへ

他社登録商標
本誌記載の会社名、商品名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

お問い合わせ先・情報提供サイト

(株)日立製作所 公共システム営業統括本部

お問い合わせは、こちらから

This article is a sponsored article by
''.