公益財団法人 愛媛県総合保健協会(以下、愛媛県総合保健協会)は、日立の「匿名バンク」を活用したサービスとして富士フイルムヘルスケア株式会社(以下、富士フイルムヘルスケア)が提供する健診Web予約システムを導入。個人情報を強固なセキュリティで管理しながら、地域住民の特定健診受診率を高める利便性の高い環境構築に成功しました。

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受診率を高めるには利便性の高い予約環境が必要

画像1: 公益財団法人 愛媛県総合保健協会(匿名バンク導入事例)クラウド上で高セキュリティに住民の個人情報を管理できる「匿名バンク」を活用した健診Web予約システム

 企業や自治体、医療機関などには、お客さまの個人情報をより安全に守りながら、クラウドなどを活用した付加価値の高いサービスを提供することが求められています。

 愛媛県内全域を対象に、感染症や生活習慣病などの早期発見と予防、健康増進へ向けた活動を行っている愛媛県総合保健協会は、こうしたニーズを先取りし、日立の秘匿情報管理サービス「匿名バンク」を活用した健診Web予約システムを導入しました。その経緯を、愛媛県総合保健協会 総務部 部長(兼)経営企画部 副部長 呉田 貴志氏は「当協会は疾病予防を進めるため、特定健診などの受診率を高めることを重要な使命のひとつとしています。そのためには対象者へ受診勧奨を行うとともに、スマートフォンやパソコンからのWeb予約など、利便性の高い環境を提供することが必要です。しかし健診予約には住民の個人情報などの資格確認が必須なため、一般的なWeb予約システムでは、受診者から予約申し込みをされた後、自治体の担当者が複数のシステムで、受診者の有する資格などを確認し、予約登録する必要がありました。そのため、リアルタイムにWeb予約を行えないことが大きな課題となっていました。そこで個人情報をWeb上でも安全に管理できる方法はないかと模索していたところ、業務システムでおつきあいのあった富士フイルムヘルスケアさまから匿名バンクの存在をお聞きし、この技術ならわれわれが求める要件をクリアできるのではないかと考えたのです」と説明します。

個人情報を乱数化してクラウド上で安全に管理

 匿名バンクは、氏名や住所などの個人特定情報を、独自の検索可能暗号化技術により乱数化してクラウド上で安全に管理できる仕組みです。秘匿化されたデータを保管するデータセンター内やネットワーク上で復号することなく検索できるため、情報漏えいリスクを軽減することが可能です。

 「個人情報を扱う自治体のガイドラインをクリアするには、最高レベルのセキュリティ技術で対応する必要がありました。暗号化のたびに異なる暗号文が生成される“確率暗号”を採用し、100万人以上の大規模データでも十分実用に耐えうる処理性能を確保している日立の技術なら、お客さまの要件を満たせると考えました」と語るのは、日立とともに匿名バンクを用いたシステム開発を担当した富士フイルムヘルスケア 健診情報ソリューション部 主任技師の笠井 伸洋氏です。

 しかし、構想していた仕組みを開発・実装するにあたっては、健康診断の対象年齢に該当する住民情報、国民健康保険加入者情報、後期高齢者医療加入者情報といったセンシティブな情報を安全に利用するため、参照すべきガイドラインや通知文書の確認について、いくつものハードルがありました。

 「確認作業だけで多くの手間と時間を要しましたが、お客さまから各市町や、愛媛県、関係省庁にお問い合わせいただくなど、多大なご支援をいただき、開発を進めることができました」と、笠井氏は振り返ります。

Webからいつでも健診予約が可能に

 2019年12月に稼働を開始した健診Web予約システムでは、24時間365日、Webからの健診予約が可能になり、新規受診者を増やす効果とともに、受診日直前の自動リマインドメール機能によってキャンセル率の減少にも貢献。自治体職員の健診予約に関する業務効率化と、住民の利便性向上を両立させることが可能となりました。

 「せっかくWeb予約の仕組みを作っても、健診時の待機時間が長いままでは住民の方々が不満を感じ、受診率やリピート率が上がりません。そこで“時間帯予約”の機能を追加したことも高い評価につながっています」と、愛媛県総合保健協会 経営企画課 課長 元木 伸也氏は語ります。

 実際に、2020年に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症の影響で、健診の中止や延期が相次ぎましたが、再開後はこの時間帯予約機能が「3密回避」につながり、住民が安心して健診できる効果を生み出しました。また2021年度にはLGWAN経由での利用も可能になり、セキュリティ性と利便性をさらに高めました。

 「2020年のコロナ禍(か)では全国平均で健診の受診率がおよそ30%下がりましたが、愛媛県は22%の減少にとどまりました。すべてがWeb予約の効果とはいえないものの、間違いなく受診率に影響はあったと考えています。これらの成果は、開発にご協力いただいた富士フイルムヘルスケアさま、そして協創というコンセプトのもと、最新の技術を最適な形で提供してくださった日立さまのおかげだと感謝しています」と元木氏は評価します。

 現在は愛媛県内20市町中19市町に採用されており、新型コロナのワクチン予約についてもこの仕組みを利用している自治体も多数あります。

 「今後も愛媛県や各市町と連携して予防医学領域のICT化を進めるとともに、より信頼される団体となれるよう努力していきたいと思います」と元木氏は抱負を語ります。

 日立と富士フイルムヘルスケアは今後も、匿名バンクを活用した健診Web予約システムを他の都道府県へも展開するとともに、さまざまな業務への適用を進めていく予定です。

画像2: 公益財団法人 愛媛県総合保健協会(匿名バンク導入事例)クラウド上で高セキュリティに住民の個人情報を管理できる「匿名バンク」を活用した健診Web予約システム

お客さまプロフィール

公益財団法人 愛媛県総合保健協会

[所在地] 愛媛県松山市味酒町1丁目10-5
[創業] 1998年4月1日
[従業員数] 219名(2021年11月末日)
[事業内容]
・生活習慣病、がん、結核及びその他の疾病予防及び早期発見に必要な各種健診検査
・健康の保持増進に関する知識の普及啓発、県民の健康保持増進のための生活改善への取り組みなど
・環境分析事業

公益財団法人 愛媛県総合保健協会のWebサイトへ

お客さまプロフィール

富士フイルムヘルスケア株式会社

[所在地] 東京都港区赤坂9丁目7-3
[設立] 2020年1月6日
[資本金] 5,000万円
[事業内容] 画像診断システム(CT、MRI、X線診断装置、超音波診断装置など)、電子カルテなどの研究開発・製造・販売・保守サービス

富士フイルムヘルスケア株式会社のWebサイトへ

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(株)日立製作所 公共システム営業統括本部

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